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Knowledge2026年04月14日

「点」の購買を「線」の体験へ。シングルIDでブランドマーケティングをアップデートする方法

# FMCGメーカー# ブランドマーケティング# 購買データ# データマーケティング# リテールデータ# 生成AI
「点」の購買を「線」の体験へ。シングルIDでブランドマーケティングをアップデートする方法

メーカー様のブランドマーケティングにおいて、購買データの活用は当たり前になりつつあります。

しかし、「施策ごとにデータが分断されている」「分析に時間がかかりすぎる」「次のアクションに繋がらない」といった課題を抱える担当者は少なくありません。

今回は、そんなメーカー様の課題に向き合うフェズの石川健翔と山田真由に、具体的な取り組み事例や今後の展望を聞きました。

分断されていたマーケティングフローを、シングルIDで一気通貫に

―購買データの活用に関するメーカー様向けのソリューションとして、購買データAI分析ツール「Urumo BI(ウルモ ビーアイ)」があります。どのようなソリューションですか。

石川:Urumo BIは、リテールデータプラットフォーム「Urumo(ウルモ)」の全国14流通を横断した購買データ(1,300万MDID)を、生成AIを使って簡単かつスピーディーに分析・活用できるツールです。機能としては「ターゲット(ペルソナ)に基づく購買分析とPDCA」と「ID-POS分析」の大きく2つがあります。

―「ターゲット」に基づく購買分析とは?

石川:「Urumo」ではシングルソースデータ(ID)を持っているので、そのIDを軸に「ターゲット」という顧客の塊を一つ定義することで、これまでマーケティングフローの中で分断されていた様々な分析を、すべて紐づけて実行できるんです。

―これまでは、マーケティングフェーズによって活用するデータが分断されていたのですね。

石川:はい。メーカー様は、別々のデータソースを各マーケティングフローで活用をしています。

例えば、ブランドとして最も重要なKGIである売上シェアを見るためには、調査会社のパネルデータを。売上を上げるために「どんなターゲットを狙うべきか」「どんな訴求をすべきか」を考える際には、アンケート調査データなどを使う。

さらに、施策に落とし込む段階、例えばデジタル広告を配信するとなると、今度はプラットフォーマーが提供するターゲットセグメントを使います。

―確かに、それぞれ別のデータを見ていますね。

石川:例えば、アンケート調査データで「美容関心層を狙うべきだ」という結論が出ても、実際に広告を配信する際の「美容関心層」は、全く定義の異なるデータに基づいています。同じ名前のターゲットでも、中身は全くの別人の可能性が高いんです。

このように、データが分断されていることで、施策の一貫性が失われ、効果検証も曖昧になっていました。

―なるほど。「Urumo BI」はその分断をどう解決するのですか。

石川:「美容関心層」というターゲットを、私たちの持つシングルIDのデータで一つの塊として定義します。

そうすることで、そのターゲットの売上が本当に伸びているのかを正確に追跡できます。ブランド全体の売上が上がっていても、狙っていたターゲットの売上が横ばいなのであれば、それは「狙い通り」ではなかった、ということがわかる。すぐに要因分析に入れるわけです。

さらに、定義したターゲット層に対してアンケート調査を行い、インサイトを深掘りすることも、広告を直接配信することも可能です。

売上を追う、要因を分析する、インサイトを深掘りする、そして打ち手として広告を届ける。この一連の流れが、すべて同じIDを軸に行える。これが、私たちが提供する「一気通貫の分析」です。

分析時間わずか1~2分、スピードと共有しやすさが業務を変える

―「ID-POS分析」について、お客様から評価されているポイントはありますか。

山田:ご導入企業様からよくご評価いただくのは「スピードの速さ」です。Urumo BIは一つの分析を実行するのに、長くても1~2分で結果が出ます。

以前お客様へのヒアリングで、「一度実行したらデータが抽出されるまで最大で8時間かかる」と聞いて驚きました。それでは業務が止まってしまいますよね。普段の業務を止めずに分析サイクルを回せるのは、実務上大切だと感じています。

―他に、使いやすさの面ではいかがでしょうか。

山田:メンバーとの「共有のしやすさ」も強みです。Urumo BIはアカウントをお渡ししてお客様自身に使っていただくのですが、共有URLなどの機能があるので、チームのメンバーと同じ画面を見ながら議論ができます。データソースや見ている指標が違う、といった理由で話が噛み合わない、という事態を防げます。

―分析のスピードが上がり、組織の共通言語にもなる、と。

山田:はい。加えて、分析メニューの豊富さも強みです。例えば、ある商品と一緒に買われやすい商品やブランドを可視化する「併売マトリクス」のような分析も、ボタン一つで実行できます。

これまで担当者の方が、データを抽出してExcelで組み立て直し、PowerPointに貼り付けて・・・と、多くの時間を費やしていた作業が、ツール内で完結する。スクリーンショットを撮ってそのまま提案資料に使えるので、業務効率化の面でも喜ばれていますね。

結果として、これまでブランド担当者の経験に頼りがちだった部分が、データに基づいて定量的に判断できるようになる。さらに、その判断基準を社内で統一できる。この一連の流れがスムーズになることが、大きなメリットだと考えています。

「なんとなく」のターゲット像を解き明かし、ブランド戦略の解像度を上げる

―実際に「Urumo BI」を導入されているメーカー様では、どのような使い方をされているのでしょうか。

山田:あるメーカー様では、元々「美容関心層」といった、比較的漠然としたターゲット像をお持ちでした。ただ、20代〜30代の女性に「美容に関心がありますか」と聞けば、おそらく7〜8割は「はい」と答えるでしょう。

その「美容関心層」が、成分にまでこだわる人なのか、それともトレンドの新商品を試したい人なのかで、響くメッセージは全く異なります。

―確かに、一口に「美容関心層」と言っても、内実は様々ですね。

山田:そこで「Urumo BI」のターゲット再現機能を使い、購買データから「美容関心層」を細分化していきました。

実際にどんな商品を買っているかを見ることで、「成分志向のブランドを買っている層」や「SNSで話題のトレンドブランドを買う層」、「単価の高い高品質なものを買う層」といった具体的な顧客クラスターが見えてきたのです。

ターゲットの解像度が上がったことで、どの層にアプローチすれば最も効果的なのかが明確になり、施策の精度が格段に向上しました。さらに、施策実施後に「どの層が最も動いたか」を振り返ることができるので、次の打ち手に繋がりやすい、と評価いただいています。

―施策のPDCAサイクルが、より具体的に回せるようになったのですね。

石川:はい。特に、SNSでのUGC(ユーザー生成コンテンツ)などをきっかけに商品が「バズる」ケースが増えていますが、メーカー様としては、そのオーガニックなバズを、いずれは再現したいと考えています。

その第一歩として、バズった時に「実際に売上を牽引したのは誰だったのか」を特定することが有意義なアプローチになります。

先ほどの例で言えば、「美容関心層」の中でも特に「このクラスターが売上を伸ばした」と特定できれば、その文脈に適したインフルエンサーを起用したり、メッセージを最適化したりすることで、効率的にバズを再現できる打ち手として精度がが高まります。

一例ですが、「Urumo BI」は、その「バズの要因分析」を可能にするツールでもあります。ブランドとして明らかにしたいことと、その先の改善への接続性が、お客様にご期待いただいている価値の一つです。

―バズの再現、PR観点でも興味深いですね。施策の効果検証という点では、他にどのような分析が可能なのでしょうか。

山田:最近、お客様からのご要望で実現した機能で、広告施策とID-POSデータを紐づけて、施策後の顧客の動きを追跡する分析があります。

例えば「広告を打ったターゲットグループが、施策期間中に商品本体を購入し、さらに施策終了後にリピート購入(詰め替え用など)をしているか」といった分析まで可能になりました。

「施策期間中に対象ブランドを買ってくれたが、その後、競合ブランドに流れていないか」といったスイッチングの状況も把握できます。

―施策が、点で終わらず顧客育成に繋がっているかまで可視化できるわけですね。

ツールを超えた「仮説検証のパートナー」へ

―メーカー様からは、様々な分析ニーズが寄せられていると聞きました。

石川:はい。例えば「シャンプーとトリートメント、ヘアパック」のように、一つのブランドで複数のカテゴリーにまたがって商品を展開している場合、「どのくらいライン使い(クロスセル)が起こっているのか、競合と比べてどうなのか」といった現状把握のニーズがあります。あるいは、「どの商品から使い始めてくれると、ライン使いに繋がりやすいのか」が分かれば、プロモーションを強化すべき商品が明確になります。

他にも、「去年買ってくれなかったのに、今年買ってくれた新規顧客はどんな人たちなのか。去年のプロモーションと何が違ったのか」を知りたい、という声もいただきます。

こうしたブランド担当者の方々が持っている仮説を、スピード感を持って柔軟且つ、定量的にデータで検証していく、というご支援も行っています。

―ツールに搭載されていない機能でも、柔軟に対応されているのですね。

石川:それが我々の目指す姿でもあります。メーカー様が抱える課題に対して、柔軟性を持って仮説検証のサイクルを回していく。ChatGPTやGeminiに質問する感覚でご相談いただければ、データに基づいた示唆をお返しする。そんな世界観を作りたいんです。

―今後、ブランドマーケティングにどのような変化を起こしていきたいですか。

石川:シングルIDを軸に生活者をより深く、より広く追跡していきたいです。

「誰が、いつ、どこで、何を、いくらで、何と一緒に買ったか」という購買行動に留まらず、その人が普段どこで情報収集しているのか、どんなことに興味があるのか、どんな価値観を持っている人なのか。そういった多様なデータを紐づけることで、購買行動の裏にある「なぜ買ってくれたのか」というインサイトに迫りたい。

「人より意図」という言葉がありますが、まさにその人の意図、インサイトこそブランド担当者が一番知りたいことのはずです。ブランド担当者が抱える個々の課題に立脚し、スピーディーに仮説検証を回せるパートナーになっていきたいですね。

山田:マーケティングPDCAを、一気通貫で高速で回していくパートナーでありたいです。

データをベースに仮説を作り、アクションし、振り返る。そのサイクルの中で生まれる新しい発見を、ブランドの成長に繋げていく。そんな伴走者でありたいです。

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