いよいよ時がきた。リテール産業の変革をリードできる会社であり続けるための、新たな一歩

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いよいよ時がきた。リテール産業の変革をリードできる会社であり続けるための、新たな一歩
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2025年12月3日。フェズは創業10周年を迎えました。
これまで関わって下さった皆さまに、この場をかりて心より御礼申し上げます。

リテール産業を取り巻く環境がドラスティックに変化していく中、私たちフェズはこれからどうあるべきか。その想い・決意を明言すべく、この度、Mission・Vision・Valueを刷新しました。

今回は、刷新の背景や込めた想いについて、代表取締役の赤尾(写真右)と取締役 COO 兼 CSOの鈴木(写真左)に聞きました。



Mission・Vision・Value(MVV)を改定する背景は?

赤尾:
まず前提として、フェズとして成し遂げていきたいこと、創業の想いそのものが変わったわけではありません。

むしろ、目指してきたことの実現性が高まってきて、より想いが強く、シャープになってきている。だからこそ、より大きな挑戦に向けて、改めて自分たちの存在意義、目指す姿、大切にすべき行動指針を検討し、進化させる必要があったんです。

また、組織という観点では、これまで掲げてきたValueやCo-Value(Valueを最大限に発揮するために組織として大切にする価値観)は、完璧ではないけれども、ある程度文化として定着してきたと思っています。
事業と組織、双方のフェーズが変わったので、MVVも進化させる必要があると考えました。


新しいMission「リテール産業に新しい常識をつくる」には、どのような想いが込められているのでしょうか?

赤尾:
小売企業様・メーカー様ではこれまで、データ活用・販促・広告宣伝・商品開発といった部門がそれぞれに最適化された役割を果たされてきました。

しかし、テクノロジーの進化で購買データを軸とした各種データを活用できる環境が整い、さらに人口減少、原価高騰、消費者の価値観や視聴メディアの多様化など、様々な変化が起きていく中で、部門の垣根を超えた取り組みが求められるようになってきています。

つまり、シンプルに「いくらかけて、いくら売れたのか」。部分最適ではなく、全体最適へ。160兆円を超える日本のリテール産業は、今、小売企業様もメーカー様も、本来注目すべきその本質的な問いに向き合うタイミングがきています。

データとテクノロジーを使って、全体最適に繋がる新しい基軸、常識をフェズが率先して創っていきたいという想いを込めました。

鈴木:
「リテール産業に」と明言したのは、フェズがここにいること、私たちの立ち位置を示す意図があります。
フェズは、小売企業様とデータを連携させていただくことによってソリューションを開発し、事業としているので、その礎は何かを敢えて言葉にしています。

物を仕入れて、並べて、売る、という一見シンプルな世界ですが、人口減少や購買行動の多様化、商品数/種類の増加などにより、単純に並べても売れない時代。これまで慣習的に行われてきたことが本当に正しいのか、データを基軸に産業全体を考え直す時がきています。

フェズというスタートアップだからこそできる変革、新しいあたりまえをつくりたいですね。


新しいVision「情報、商品、店頭を科学し、売上に貢献する」について。「売上に貢献する」と明言した意図は?

鈴木:
リテール産業において、フェズが何の課題を解決すれば最も価値があるのか。結局のところ、小売企業様・メーカー様の売上に貢献することだと。

消費者のニーズを捉えたよりよい商品をつくる、購買体験価値をあげる、生産性をあげる、働き甲斐を高める・・・。様々な経営課題はあると思いますが、営利企業として社会に価値を提供し続けていく、そのためのKGIは売上なんですよね。
Visionとして掲げるのは、フェズはそこから逃げないという意思表示です。

赤尾:

そうですね。簡単なチャレンジではないですが、小売企業様・メーカー様が消費者ニーズに応えた結果が「売上」ですから。

Visionで明言することで、フェズ自身が小売企業様・メーカー様にどんな価値を提供する会社なのかをわかりやすくする。「売上をあげるならフェズ」と想起してもらえるようにしたいですね。


Mission・Visionを実現するための新しいValueとして、「挑戦 / 常に一歩先へ」「One Team / 議論を尽くし、最後は一つ」「結果 / 結果の積み上げが未来につながる」の3つを選んだ理由は?


One Team / 議論を尽くし、最後は一つ

赤尾:
組織が大きくなる過程で、色んな問題が発生していました。フェズ内においても部門最適の状態になってしまったり、意見が合わない部署間でハレーションが起きてしまったり。

これまでのValue・Co-Valueに足りなかったことは何か、組織がより大きく成長していくために何が必要かを考えた際、ゴールを共通化して、同じ目的のもとで役割分担していくことが求められていると。勝つために色んな議論はすべきですが、議論をした結果、答えは1つにしないと推進できない。1つにしたら、そこからは意見が違った人も一緒に完全コミットする。言葉にすると簡単ですが、ゴールに向かうために「議論を尽くした上で最後に1つになる」ことは相当に難易度が高いことだと思います。故に、実現できる組織文化を醸成できれば、圧倒的な競争優位性になると考えています。

鈴木:
リテールという巨大な産業において、長年あたりまえとされてきた商慣習を変えるチャレンジは、相当難易度が高く、きれいごとではない、強いチームを作らなければ成し得ません。

例えば、サッカー日本代表でも、大会に出られる人数・ポジションの数が限られているように、フェズにおいても与えられるポジション、役割や権限は限られています。勝てる強い組織にするためには、その上で1つになっていく必要があるんです。


挑戦 / 常に一歩先へ

鈴木:
そもそもフェズという組織がどうあるべきか、どんな人にジョインしてほしい・いてほしいか、新しい常識・新しい当たり前・新しいものを創り出すために大切なことは何か。それは、「挑戦し続ける意志」だと思うんです。

人は挑戦を止めると成長しません。みんなが受け身で流れ作業のように仕事をしていては、決して新しいものは創れません。何も偉大な挑戦をしなくてはいけないわけではないですし、大小は問いません。日々の中に1つ価値を加える、一歩踏み出すことが大切です。そんな挑戦の気持ちをみんなが持っていれば、組織のベクトルは上向きでいられます。

赤尾:
お客様の価値(売上を上げる)に対して今よりどうすればもっと良くできるか。明日どうするか、来週どうするか、来年どうするか。
一人ひとりが、それぞれの人生のオーナーシップを持っていますので、その上での挑戦を大切にしてほしいですね。

会社がまだ赤字で、市場もなかなか立ち上がらない状態のときは、正直、強制的に前を向くしかない。しかし、結果が出てきて少し余裕が出てくると、どうしても満足してしまいそうになる弱さがあります。どんな状況でも前を向き愚直に挑戦し続けられるベンチャーは、ほんの一握りだと思います。フェズは、その一握りでありたいですね。


結果 / 結果の積み上げが未来につながる

鈴木:
組織が1つになり挑戦ができていても上手くいかないのは、結果を積み上げられていないときだなと。何となく良かったね、頑張ったね、そんなフワッとした結末で終わらせてはいけない。

ここで言う結果は数字だけを指しているわけではないですし、良い結果だけを求めているわけでもありません。悪い結果も含めて、、積み上げていかなければ、その先にはつながらない。悪い結果は組織の弱さや個人の弱さと向き合うことになることもありますが、一つずつ向き合って、積み上げていくことができてこそ、強い組織、強い事業がつくれるのだと信じています。

赤尾:
結果って何だろう。ここに自分がいることで何ができたんだろう。もし自分がいなかったら、何ができていなかったんだろう。自分がいる意味って何だろう。

「結果」を考えることは怖いことだと思います。でも、自分がここでやらなければいけない役割や出すべき結果と、ちゃんと向き合える組織でありたいですね。私たち経営陣を含め、結果にしっかり向き合っていきたいと思っています。


今回、Co-Value(Valueを最大限に発揮するために組織として大切にする価値観)をなくしたのはなぜですか?

鈴木:
Co Valueはいずれも新たなValueを体現していくのに重要な要素ですので、新Valueに包含されて続いていくものだと考えています。ただ、Co Valueと旧Valueを適切に連動させた評価ができていないと感じる場面もあったので、最後はValueを体現できているのか、という人事評価上の使い易さを求めたという背景があります。

赤尾:
冒頭でお伝えしたとおり、組織としてのフェーズが変わったこともあり、今、そしてこれからのフェズにとってより大切なことを3つのValueとして明言しました。シンプルにしたことで、より伝わりやすく浸透しやすくなったのではないかと思います。


経営体制が変わって、1年程経ちました。変化を感じることはありますか?

赤尾:
直近、明らかに市場の変化の速度が上がっていると感じます。ついに、ここまできたなという、転換期にきていますね。

これまで、何となく起こり得ることを捉えてはいましたが、フェズが取り組んできたこと、目指してきたことが、世の中のトレンドになり始めてきたことで、より解像度が上がり面白いタイミングにきたなと思っています。ワクワクすると同時に、ここから先はより大きな変化が想定される分、慎重かつ大胆に挑んでいきたいですね。

鈴木:
そうですね。とても刺激的なフェーズにきたなと感じています。
一過性の盛り上がりではなく、新たに市場を創っていく立場としての責任と意地をもって、成長を求め、様々なパートナーと連携しながら、挑戦を続けたいです。


最後に、新しいMVVのもと、どのような未来をつくりたいか、意気込みを聞かせてください。

赤尾:
フェズがつくろうとしている新しい常識とは、市場全体がデータとテクノロジーの力で最適化され、売上を上げられる状態になること。中間指標ではなく、最終的に成し遂げたいゴールを実現するために、市場全体が考え動ける状態をつくることです。

これから益々信用経済が進むと思います。信頼できる情報をもとにモノが買われる時代。これまで創り上げてきたマーケティング業界の常識も、益々変化を求められていくでしょう。自分たちで創った常識を守るのではなく、変化に応じて進化し続けていかなければならない。フェズが担うべき役割はとても大きいですね。

鈴木:
フェズがMission・Visionを実現した先には、日々の買い物が楽しくなるとか、個人個人に最適な情報が届く(少なくとも、嫌な情報・不要な情報が届かない)とか、消費者にとってより良い世界があると考えています。

現在、多くの店舗では、値引きが一番売れる理由になることが多いです。しかし、データとテクノロジーの進化によって、利益構造を改善することができれば、イノベーションにも投資ができるようになり、小売企業様の競争力が上がって、海外にも挑戦しやすくなるでしょう。

リテール産業の未来の可能性を広げたい。そんな想いがより強くなっています。