執行役員が語る、結果を出す組織に必要なスタンスと信念

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執行役員が語る、結果を出す組織に必要なスタンスと信念
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こんにちは。広報部の楊です。

以前こちらの記事でご紹介したように、7月に入りフェズは原則週3日出社に変わり、今まで以上にメンバーと顔を合わせる機会が増えています。

そこで今回は、執行役員である田中(写真左)、豊木(写真中央)、川崎(写真右)の3人に、組織づくりにおいての工夫や重要視する仕事へのスタンスを聞いてみました。




組織づくりやマネジメントにおいて大事にしていること、信念は?

田中:

個人のあり方としてだけでなく、組織づくりでも「成功や失敗を含めて、過去の体験・経験にとらわれない、こだわらない」ということを常々大切にしています。

成功体験がある人は、同じやり方を続けてしまうことが多いと思いますが、「自分自身がいかに変わり続けられるか」を人生のテーマにしているほどです。

組織マネジメントについては、色々学びをインプットし続けていますが、あらゆる組織論を見回して、最後に行き着くのはスポーツチームにおける監督のマネジメント手法に行き着くのではないかと感じていますね。

能力開発はもちろんですが、モチベーションマネジメントを含めたマネジメントコントロールが鍵。

監督は選手をとても良く観察しており、選手のいいところ、悪いところなどの特徴をフィジカル・メンタル含めて分析して最適解を出しているはずで、それがマネジメントにおいて重要なのではないでしょうか。


私は子供のころから人を観察するのが好きでした。人の反応や行動を見て、その人がどういう人なのか仮説検証を繰り返してきたため、今では相手の人柄や能力についての観察眼がある程度身についてきていると感じてます。

どんな組織に入ったときでも、まずは様子見をして、その組織の人と能力の中央値を分析し、最適な手法を検討するのが私のやり方です。

組織づくりのパターンは様々あり、どんな形が適しているか、どんな手法だと今の会社や組織に合うか、という仮説検証を繰り返してきました。

理想だけを追い求め形だけつくってしまうと、人がなかなかついてこないことがありますので、理論よりも実行性、業務への定着を特に意識をした組織づくりを行うことが、チームとして成果を残すためにとても重要だと考えています。

メンバーが変わればやり方も変わる。前例を踏襲せず、現状に即したその時々で最適なものを一緒につくり出せるかが、組織づくりにおいてとても大事であると。



川崎:

スポーツ組織のマネジメントが仕事にも通ずることは私も実感があります。

良い成績を収めているスポーツ組織の作り方と、会社の組織論について学びましたが、ほぼ共通していると感じました。その中でも自分が大事だと思ったことは2つあります。

1つは「言葉にすること」。

目指すべきことを言語化し共通の認識を持っていると、目的に沿って個人が主体的に動けるようになります。また、トップが決定したことへの納得度があがります。そうすると格段に生産性が高まるのです。

もう1つは、「楽しく仕事をすること」です。

人が働く上で楽しいと思う瞬間は様々だと思いますが、メンバーそれぞれの「楽しい」が何であるか、最初の1on1で必ず聞いています。

それがたくさん感じられるような仕事のアサインやコミュニケーションを意識していますね。

この2つを通じて自主性や自発的な創意工夫に繋がっていくと感じています。


この2つを組織づくりの軸にしはじめたのは、大学と社会人での経験がきっかけです。

大学時代の部活動で、我々のチームがインカレで国立大の中では一番上位の成績で、かつ部員数が最も多かったのですが、当時行っていたのが「言葉にする」を重視した組織づくりなんです。言葉を基に組織をつくると、こんなにも生産性が変わるんだ、という実感がありました。

「楽しく仕事をする」については、社会人で学びました。量販店セールスを担当していた際、複数店舗の売上を担っていました。各店舗には様々なスタッフが在籍しており、それぞれのチームが売上をあげられるように色んなアプローチを実行しました。その結果メンバーが「楽しい」を実感できる工夫をした際に一番売上が伸びたのです。

これらの経験を踏まえて、現在のチームでは、本部内表彰やコラボワークなどを実践しています。コラボワークとは、毎週1時間チーム全員が隣り合って一緒に仕事をすることです。フェズはフリーアドレスですし、メンバーの中には地方からリモート勤務をしている人もいるのですが、コラボワークでは同じ場所に座り、オンライン会議も繋ぎつつ、それぞれの仕事を行うのです。自然と雑談が生まれたり、一緒に仕事をしている実感が湧くので、チームの一体感に繋がっていると感じます。


執行役員 リテールメディア事業本部長 田中友幸


豊木:

1つは、自分でなんとかしようという気持ちを引き上げること。もう1つは、個人の動きがどんな成果に繋がっているか出来るだけ具体的に伝えることです。

業務において、同じゴールを設定した場合でも、クライアントによって状況は異なります。同じクライアントに対しても、前回と同じことが通用しないことも多いです。そんな中で、都度マネージャーに指示を仰いだり、持ち帰って確認したりすると、お客様から見たときにその人と仕事をする意味が薄れてしまうと思います。難易度は高いですが自分がプロジェクトマネージャーとして判断していくことが大事だと、メンバーに常々伝えています。

そのために、半期でどこまで到達するべきなのかを各自がクリアに描けるようなコミュニケーションも意識していますね。


また、業務上誰しも、心が折れそうになることもありますよね。

その際に、日々の行動の結果が可視化されると、意味を感じられると思うんです。「あなたのおかげで、これが動いたよ」だとか、「更にこういう提案をすることで、このような結果に繋がるんじゃないか」ということを伝えることに力を入れていますが日々模索中です。

今は、経験豊富なメンバーが多いのですが、かつては第二新卒のような若手中心の組織も担当していました。同じ会社内でメンバー層も規模もガラリと変わったので、マネジメントスタイルも大きく変化しました。


若手メンバー中心のときは人数も少なかったので、背中を見せながら並走するスタイル。毎朝1on1MTGを入れて、一人ひとり育てる気持ちで向き合っていました。

今は、自分が発する言葉への納得感や咀嚼がより必要になっていると感じます。


執行役員 リテールDX本部長 豊木匡義


今の組織に対し、繰り返し伝えている言葉はありますか?


川崎:

私は、事業企画部と事業開発本部を見ていますが、やはり「言葉にする」ことを大切にし、それぞれの部署でミッション・ビジョンを決めメンバーに伝えています。

部署のミッション・ビジョンは、会社のMVVCよりも自分たちの業務に直結しやすい言葉を使っていますが、行動指針として意識すべきものはMVVCの言葉のまま伝えています。

例えば、事業企画部は「マイルストーン主義」。事業の状況を可視化し、仮設したゴールに向かって逆算していける役割が、今のフェーズに必要だと感じているので、そこを我々が担おうという意識を示しています。


事業開発本部では、Co-valueの「フィードバックを贈り合う」と「リスペクトは行動で示す」を徹底的に実行するよう呼びかけており、本部内表彰もこの2つを軸に行っています。

個人のパフォーマンスではなく、協力プレーを評価するスタイルにしており、フィードバックを贈り合う機会をつくっています。

また、各自が何をどのくらい行っているか分からないとリスペクトに繋がらないので、Notion上に個人のToDoを含めて情報を集約し、週次のスタンドアップMTGで発表しています。



豊木:

私の部署でも、みんなが何のために頑張っているのか見失わないよう、業務に落としこみやすい言葉を掲げて、「なぜやるべきか」を伝え続けています。


一方で、アクションに結びつく指針にする難しさも感じています。私たちが日々向き合う小売事業者様の課題は様々で、目指すべきゴールや、現状できることも異なります。そのため、小売事業者様によって向き合い方が異なり、共通の行動指針を示すことが難しいのです。きれいに言葉でまとめることよりも、シンプルなキーワードを伝え続けたほうが、チームとして一枚岩でまとまりやすいとは感じますね。


会社のMVVCは、メンバーの行動に対してフィードバックする際に活用しています。特にCo-valueは組織の一員として問いかけることが多いと思います。



田中:

私も、キーワードで伝え続けることの重要性を感じています。

ミッション・ビジョンという形ではないですが、半期ごとにやるべきことをコンパクトに言語化しメンバーに伝えています。

その上で、我々がマーケットでどういう立場にいるのか、周囲からの期待値がどうなっているのか、提供価値がどのくらい評価をされているのか等、ビジネスをとりまく外部環境や背景を含めて伝えることを重要視しています。


我々ビジネスパーソンは常に変わり続ける環境に合わせてアクションをしているので、MVVCがあるからといって、その内容に固執し過ぎる必要はないと考えています。

MVVCはひと月或いは四半期ごとの振り返りで活用したり、何かアクションに困ったときに立ち戻るものとして活用するのがいいですね。


MVVCは、言葉は違えど様々な会社が設定しています。そういった言葉は、企業のカラー、そして文化になり、時間をかけて「あの会社はこういう人が多いよね」というイメージ、すなわちDNAに繋がっていきます。

大きな会社は時間をかけてつくり上げ、受け継いできた理念や社是があると思いますが、我々のような若い会社は、「なぜそれが必要なのか」と「企業文化やDNAを今一緒に創っていく過程にある」というメッセージを、常に語り続けることが大事なのではないでしょうか。


執行役員 事業開発本部長 兼 事業企画部長 川崎貴大


組織の一員として、大事にすべき仕事のスタンスは?

川崎:

どうやったら出来るか考えることがまず重要だと思います。誰も成し遂げていない高い目標に向かってチャレンジしているのがベンチャーですので、出来ない理由を挙げだしたらきりがありません。どうにかして進んでいくスタンスを持つことが非常に重要だと感じます。一方で、その後に繋げる仕事をしていく必要もあります。切り開くだけ切り開いて、振り返りや構造化 / 仕組化をしないままでは、育つものも育ちません。

切り開きながらも、進めたものは最後まで整えていく、この両方を意識して仕事に向き合うことが大事なのではないでしょうか。



豊木:

自分でなんとかするんだ、という気概は大切だと思います。

目の前の課題が、あと少しの踏ん張りや、スタンスを変えることで乗り越えられるかもしれない。そのときやりきれるかどうかで、今後の成長が変わると思います。


私自身、困難にぶつかっても、なんとかできると信じ切っています。

自分でなんとかするんだという思いとか、なんとかした経験や自信を持っているかどうかというのは、実は根源的に仕事に大きな影響を及ぼすものだと感じます。

ベンチャーにおいては特に重要だと思いますし、この会社で体得してほしいです。


田中:

こんなこと言うと、若干怪しい宗教っぽい感じもするかもですが笑、自分と能力の差が大きく開いている人に対して、「あの人は仕事ができるから」といった諦めのマインドを持たないことが重要だと思っています。

こういうこと言うと、嘘くさく思う方もいらっしゃるかもですが、私は子供のときから自分はとにかく頭が悪い、と思って悩んできました。なんで人がすぐ出来ることを、自分はなかなか上手く出来ないのか?この誰もが思ったかもしれないことを一旦事実として正面から受け止めた時に、では「何故そうなのか?」というその理由を考えることを繰り返し、自分の特徴を把握したんです。

自分の特徴として、新しいことを覚えること、特に複雑な構造を理解することは時間がかかる。ただ、理解してからは、それらを活用、応用する能力は高く、とても早い、ということを。

つまり、インプットにボトルネックがあって、インプット方法を改善できれば自分にはもっと可能性がある、ということに気づいたのです。自分に真面目に向き合うことで、能力開発のポイントが分かったのです。20歳くらいのときでした。

そこからは、とにかく強制的にインプットの場をつくって改善してきました。

自分のだめなところを理解し、成長するための失敗をたくさん重ね、失敗から改善ポイントを見つけ、改善を確実にやりきっていきました。そして更にフィードバックをもらえるようになりました。


「あの人は最初から出来るから」というマインドになってしまうと、相対評価として自分がだめだと認め諦めることになってしまう。

FEZみたいに、スタープレイヤーが多いベンチャー企業だと、これらの人と差が開きすぎてて、自分には到底届かないと感じてしまいがちですし、結論を急ぎたい気持ちは分かります。

しかし、積み重ねないと得られないこともあるので、目標とする人と年齢が例えば15歳離れているなら、それを「5年、或いは10年で出来るようになればその人より習得が早いぞ」という思いをもって能力開発していってほしいと思います。






組織の一員として大切なことが確認できた鼎談でした。

田中さん、豊木さん、川崎さん、お話ありがとうございました!